岡山県有数の酪農地帯・笠岡湾干拓地に、牛ふんを主原料とする国内最大級のバイオガス発電所「かぶとバイオファーム発電所」が誕生しました。再生可能エネルギー事業を手がけるかぶとLLPが事業主となり、牛ふんを発酵させて生成するメタンガスをエネルギー源に、最大出力1,427kWの電力を供給。臭気問題の低減とサーキュラーエコノミー(循環経済)の両立を通して、地域の課題を地域の資源に変え、さらなるSDGsの推進を図っていきます。
牛ふんの発酵時に生成されるメタンを主成分としたバイオガスを活用し、発電を行います。天然資源をエネルギー源としたカーボンニュートラルな発電方法で、天候や自然環境に左右されにくく、安定した稼働が可能です。
施設に集められた牛ふんを密閉空間で発酵処理するため、牛ふんの臭気問題の軽減が見込めます。また、メタン発酵後、分離される水は、瀬戸内海に放流可能なレベルにまで浄化処理を行って場内で再利用したり、放水します。残った堆肥はトウモロコシ栽培などの農業肥料として活用し、さらに、収穫されたトウモロコシを牛のエサに使用することで、地域の循環型社会づくりに生かします。
「かぶとバイオファーム発電所」では、一般家庭の約3,500世帯に相当する1,427kWの発電が可能です。発電した電気は、中国電力への売電のほか、災害時には充電ステーションとして活用する計画です。
施設内の貯留地下タンクに毎日各牧場から運び込まれる牛ふんを受け入れます。一次貯留層へ移送するため、設定含水率まで水を投入し希釈します。
受入棟や水処理棟には、施設内で発生する悪臭物質を薬品で中和し、臭気を抑える脱臭装置を完備。酸洗浄・アルカリ洗浄・活性炭脱臭を行います。
牛ふんを一次貯留槽で水分量や成分を安定させ、原料に加工します。その後、ポンプで発酵槽に移送し、空気を遮断した状態で30日間撹拌。微生物の働きによる発酵を促します。
発酵時に生成されたバイオガスは発酵槽の屋根に貯蔵され、ガスエンジン発電機に送られます。
メタンガスから不純物などを取り除いてバイオガスを精製し、バイオガス専焼エンジンを搭載した発電機に投入します。ガスの燃焼には、炭化水素や窒化酸化物などの有害物質の発生を抑えるリーンバーン(希釈燃焼)方式を採用。燃焼によって発生するガスでエンジンを回して発電するだけでなく、エンジンの排熱で温水を作り、発酵槽や濃縮装置にも活用しています。
ガス採取後の残留物は、pH調整後に蒸発濃縮し、肥料として地域の農業に役立てています。蒸発時に発生した蒸気も再び液体に戻し、放水及び希釈水になります。